変動金利タイプは、当初5年間の毎月返済金額が変わりませんが、6か月に1度、金利の見直しがあるのに、金利が変わってもなぜ毎月返済金額が変わらないのでしょうか?
毎月の返済金額は、「元金返済部分」と「利息返済部分」に分けられます。
金利が上昇した場合は「利息返済部分」を増加し、「元金返済部分」を少なくすることで、毎月の返済額が変わらないようにしています。
例えば、2,500万円を35年間で借り入れた場合、1%の金利で毎月返済金額は約7万円になります。
毎月返済金額(70,000円) = 元本返済部分(50,000円) + 利息返済部分(20,000円)
これが2年目に金利が2%に上昇したとすると、返済金額7万円の内訳は次のようになります。
毎月返済金額(70,000円) = 元本返済部分(30,000円) + 利息返済部分(40,000円)
つまり、金利が高くなったら、毎月返済金額の利息を増やし、元本を減らして返済金額が変わらないようにしているというわけです。
未払い利息は、このバランスが崩れたときに起こります。
例えば、金利が急激に高くなった場合に、毎月返済額の利息が大きくなり元本返済部分が無くなることがあります。さらには、毎月の返済額では支払いきれない利息が発生することが出てきます。
この毎月の返済額を超えてしまった利息部分が「未払い利息」です。
また、5年ごとに見直される返済額は、見直し前の返済額の1.25倍が上限となるため、その時の借入金利で計算した返済額が見直し前の1.25倍以上になる場合も未払利息が発生します。
通常、未払い利息に対する利息は計算されませんが、一度未払い利息が発生すると、ローンの残高が全く減らなくなるので、金利が下がるか返済額が増えないかぎり未払い利息の発生は止まりません。
直前の返済額の1.25倍が限度になっているので、毎月の返済額が急激に上がるということはありませんが、金利が上がり続けると未払い利息も発生し続ける可能性があるので注意が必要です。
なお、未払利息分の返済方法については、金融機関により異なりますが、
(1) 最終返済日に一括して返済
(2) 返済期間中に分割し毎月の返済額に上乗せして返済
(3) 元金・利息よりも優先して未払利息分を返済
の3つのパターンが一般的です。
いずれにしても、未払い利息が発生すると大きな負担を強いられます。