返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」がありますが、一般的な返済方法は「元利均等返済」です。
「元利均等返済」は、毎回の返済額が一定で、元金部分と利息部分の内訳が返済時期によって変わります。最初は利息の返済が多く、元金の返済が少ないため、元金の減り方が遅くなります。
「元金均等返済」は、毎回支払う「元金」が均等になる返済方法です。毎回の返済額は、元金に元金残高に対する利息を上乗せして支払います。元金が減るに従って利息も減るので、最初の返済額が一番多く、将来の返済額は少なくなっていきます。「元利均等返済」に比べて最初の支払額が多くなりますが、元金の減り方は早くなります。
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元利均等返済 |
元金均等返済 |
返済方法 |
毎月の返済額(元金+利息)が返済期間を通じて一定となる返済方法です。 |
毎月一定の元金と、ローン残高から計算した利息を合計した金額を支払う返済方法です。 |
メリット |
返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画が立てやすくなります。元金均等返済に比べて、返済を開始したときの返済額を少なくできます。 |
返済額(元金+利息)は返済が進むにつれ少なくなります。元利均等返済に比べて元金の減りが早いので、同じ返済期間の場合、元利均等返済よりも総返済額は少なくなります。 |
デメリット |
同じ返済期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなります。借入金残高の減り方が遅くなります。 |
返済を開始したときの返済額が最も高いため最初の返済負担が重く、高い月収が必要になります。 |
特に現在は、夫婦共働きで子どもが生まれるまでに返済を多くして元金を減らしたいような場合、それ以外にも、教育費のピークが過ぎて高収入が続くような場合であれば「元金均等返済」がお勧めです。
しかし、徐々に返済額が低くなる「元金均等返済」ですが、上の表の条件の場合、元金均等返済の毎月返済額が、元利均等返済の96,212円よりも少なくなるのは当初から15年目と長い年月が必要です。「元金均等返済」を選択する場合には、毎月の返済額の推移も確認しておく必要があります。
一方、今は共働きだがまもなく子供が生まれるような場合は、奥様の退職後に収入が減るので、返済額が一定で計画が立てやすい「元利均等返済」を選択するほうが無難です。この場合でも、子供の教育費がかかる高校、大学前に元本を減らしておきたいというのであれば「元金均等返済」を選択するという考え方もあります。
このように住宅ローンの返済は、総返済額を減らすために、住宅ローンの期間を短くする、返済方法を「元金均等方式」にするといった工夫ができます。ただ、元金均等返済の場合、35年間の元利均等返済よりも最初の返済額が増えるので毎月のやり繰りを頑張らなければいけません。また、いったん返済方法を決めると返済期間の長期化や返済方法の変更はできません。元利均等返済であれば35年間返済を選択しても、貯まったお金を繰り上げ返済にまわすことで総返済額や返済期間を短くできます。
こうしたことを踏まえて、総返済額を少なくすることだけに比重を置くのではなく、現在の暮らしやこれからのライフプランに合わせた返済期間や返済方法を柔軟に選択できるということを考えながら返済方法を決める必要があります。